
鷲子山上神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
栃木県那須郡那珂川町と茨城県常陸大宮市の県境に位置する鷲子山上神社は、標高470メートルの山頂に鎮座する全国でも珍しい神社です。境内の中央を県境が貫き、「フクロウの神社」として親しまれるこの聖地は、金運や開運を願う多くの参拝者で賑わいを見せています。日本一の大フクロウ像をはじめ、約150体のフクロウ像が境内に点在し、訪れる人々に幸運をもたらすパワースポットとして注目を集めています。
鷲子山上神社の概要・基本情報
鷲子山上神社は、大同2年(807年)に矢又村(現・栃木県那須郡那珂川町矢又)の大蔵坊宝珠上人が阿波国から天日鷲命を勧請したのが始まりとされています。当初は「鷲権現」と呼ばれていましたが、明治4年(1871年)に現在の「鷲子山上神社」に社名が統一されました。
この神社の最も特徴的な点は、明治4年(1871年)の廃藩置県により、下野国側が栃木県、常陸国側が茨城県の管轄となったため、1つの境内に栃木県側と茨城県側の2つの神社が並立していることです。現在も宗教法人としては栃木県と茨城県にそれぞれ登録されており、2つの神社として扱われています。
歴史と由来
創建当時、大蔵坊宝珠上人は諸国遍歴中に四国の阿波国(徳島県)で製紙業が盛んであることを知り、紙漉きの技術と共に守護神である天日鷲命を勧請しました。その後、大巳貴命や小彦名命も祀られるようになりました。
鎌倉時代末期には、下野国中央部を勢力圏とした宇都宮氏支族の武茂氏が当地方を統治していました。神社はかつて朝日嶽と呼ばれる地にありましたが、天文21年(1552年)に現在地に再建されたと伝えられています。
明治維新に際しては、それまで神社を管理していた伍智院が廃絶し、別当を務めていた家は長倉姓に復して引き続き社務に携わりました。長倉家は明徳3年(1392年)に常陸国の城主家系から分家して鷲子山上神社の宮司になって以来、2009年時点で23代目という長い歴史を持つ社家です。
祭神とご利益
主祭神は天日鷲命(アメノヒワシノミコト)という鳥の神様です。この神様は製紙業や織物業の守護神として崇拝されており、技芸向上や産業発展のご利益があるとされています。
近年、神様のお使いとしてフクロウが信仰されており、フクロウは「不苦労」(苦労知らず)、「福来郎」(福が来る人)、「福老」(幸福な老人)などの意味を込めて幸運を呼ぶ鳥として信仰されています。フクロウ像ごとに、開運、家庭円満、心身健康、金運上昇、恋愛成就といったご利益があり、非常に縁起の良いパワースポットとなっています。
鷲子山上神社の見どころ・特徴
境内は自然環境保全地域に指定されており、茨城県と栃木県双方の指定文化財となっています。標高470メートルの山頂に位置する境内は、四季折々の自然美に包まれ、訪れる人々に深い感動を与えています。
県境を貫く珍しい神社
参道や本殿の中央部を県境が貫いており、境内には栃木・茨城両県の社務所があり、宮司もそれぞれ奉職している全国でも極めて珍しい神社です。大鳥居の中央が県境という、全国でもめずらしい神社として知られています。
本殿は栃木県と茨城県のどちらからも県の有形文化財に指定されており、県境の神社で指定を受けた日本初の事例となりました。拝殿は茨城県側にありますが、栃木県・茨城県両社の共同所有の形をとっています。
興味深いことに、社名の正式な読みは栃木県側が「とりのこさんしょうじんじゃ」、茨城県側が「とりのこさんじょうじんじゃ」となっています。これは神社庁への登録手続きの際に生じた違いによるものです。
日本一の大フクロウと150体のフクロウ像
境内には日本一の大フクロウ、不苦労御柱、フクロウの石段、石製の水かけフクロウ、フクロウのポスト、フクロウの鐘、フクロウのベンチなど至る所にフクロウをモチーフとしたものが設置されています。
フクロウの石像が奉納されることも多く、2016年12月時点で約120体、2024年12月時点で約150体ものフクロウ像が境内にあります。これらのフクロウ像は管理の都合上、栃木県側に偏って設置されており、それぞれが異なる表情と個性を持っています。
日本一の巨大なフクロウ像は運気上昇・金運福徳のパワースポットとして人気で、フクロウ像を支える中央の柱は金運、周囲4本の柱は除災・方除けにご利益があるとされています。
文化財に指定された本殿と建造物
1990年(平成2年)には氏子からの申し出を受け、栃木県・茨城県が同時に調査を行った末、本殿などを同時に県指定有形文化財に指定しました。本殿は華麗な彫刻が施されており、幽玄の趣きを感じさせる建造物として多くの参拝者を魅了しています。
境内の面積は鷲子山一帯の約22ヘクタールで、うち2ヘクタールは原生林となっています。この豊かな自然環境の中で、実際に鷲子山にはフクロウが生息しており、夜になると姿を見せることから、神の使いとしてのフクロウ信仰がより深い意味を持っています。
参拝・拝観案内
鷲子山上神社への参拝は、自然に囲まれた聖域での特別な体験となります。標高470メートルの山頂という立地から、清浄な空気と静寂に包まれた環境で心を込めた参拝ができます。
参拝作法とマナー
一般的な神社参拝の作法に従い、鳥居をくぐる際には一礼し、参道の中央を避けて歩くことが大切です。手水舎で手と口を清めてから拝殿に向かいましょう。
県境を貫く特殊な神社であることから、栃木県側と茨城県側それぞれに社務所がありますが、参拝作法に特別な違いはありません。二拝二拍手一拝の作法で丁寧に参拝しましょう。
フクロウに込められた願い
祭神が天日鷲命という鳥の神であることから、「不苦労」・「福老」・「福来朗」に通じるフクロウが神の使いとして崇拝されてきました。境内の多数のフクロウ像は、それぞれ異なるご利益を持つとされており、自分の願いに応じたフクロウに祈願することができます。
フクロウに祈願して成就し、足しげく参拝に訪れる人もいます。特に宝くじの当選祈願や金運向上を願う参拝者が多く、実際に願いが叶ったという報告も数多く寄せられています。
御朱印・お守り情報
フクロウお守りやフクロウのストラップの授与も行っています。栃木県側と茨城県側それぞれの社務所で御朱印をいただくことができ、県境の神社ならではの特別な御朱印として人気を集めています。
フクロウをモチーフとしたお守りは種類豊富で、金運、開運、家庭円満、学業成就など、様々な願いに応じたものが用意されています。詳細は公式サイトをご確認ください。
アクセス・利用情報
鷲子山上神社は山頂に位置するため、アクセスには注意が必要です。特に道路状況については事前に確認しておくことをおすすめします。
交通アクセス
電車・バス利用の場合
JR烏山線「烏山駅」からタクシーで約20分が最も便利なルートです。また、JR東北本線(宇都宮線)「氏家駅」下車、東口から関東バス「馬頭車庫行き」に乗り、那珂川町役場前下車、そこからタクシーで20分という方法もあります。
タクシーを利用する際は、山頂という立地のため復路の確保が重要です。往復での利用を前提として運転手さんに待機をお願いすることをおすすめします。
自家用車利用の場合
常磐自動車道那珂ICより約1時間、東北自動車道宇都宮ICより約1時間10分です。東北自動車道矢板ICからは車で約60分のルートもあります。
茨城県側の入口よりお入りになりますと比較的広い道になります。栃木県側は道が狭く自動車のすれ違いが難しい箇所もありますので、平常は茨城県側からのアクセスが推奨されています。
参拝時間・駐車場情報
参拝時間
日の出より日没まで参拝可能で、年中無休で開放されています。
駐車場
約140台の無料駐車場が完備されています。本宮の鳥居を過ぎた先に駐車場(10台)とその手前の路肩に5台、栃木県側へ200メートルほど下った場所に40台ほどの駐車スペースがあります。
混雑時には第二駐車場の利用も可能ですが、神社まで少し距離があるため時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。
<住所> 〒324-0607 栃木県那須郡那珂川町矢又1948
参照サイト
・鷲子山上神社 公式ホームページ:https://www.torinokosan.com/
・観光いばらき(茨城県):https://www.ibarakiguide.jp/spot.php?mode=detail&code=107
・栃木県神社庁:http://www.tochigi-jinjacho.or.jp/?p=677