喜多方ラーメンとは。特徴と歴史、その魅力をご紹介

喜多方ラーメンとは。特徴と歴史、その魅力をご紹介

福島県の会津地方に、一杯のラーメンを目的に全国からひとが訪れるまちがあります。喜多方市です。札幌ラーメン・博多ラーメンと並んで「日本三大ラーメン」のひとつに数えられる喜多方ラーメンは、なぜこれほどまでに愛され続けているのでしょうか。その特徴と歴史を、ゆっくりひも解いてみましょう。

喜多方ラーメンの2つの顔、麺とスープ

喜多方ラーメンとは。特徴と歴史、その魅力をご紹介

平打ち熟成多加水麺

喜多方ラーメンを語るうえでまず外せないのが、麺の存在感です。「平打ち熟成多加水麺」と呼ばれる、一般的な麺より水分を多く含んだ麺が大きな特徴です。麺の幅は約4mm の太麺で、水分を多く含ませじっくり寝かせてつくるため、コシと独特の縮れがあります。もちもちとした食感が生まれるのはこの製法があってこそで、噛むたびにスープがほどよく絡んできます。

あっさりとした豚骨醤油スープ

スープの基本は、豚骨や煮干しをベースにした澄んだ醤油スープです。脂っこさは控えめで、優しい口当たりながらしっかりと旨味を感じられます。毎日食べても飽きにくい味わいで、地元民に長年愛されてきました。店によっては豚骨と煮干しのスープをそれぞれ仕込んでブレンドしたり、塩味や味噌仕立てで出したりと、表情はさまざまです。

まちの水と醸造文化が支える味

喜多方には飯豊連峰からの豊富な伏流水があり、古くから酒・味噌・醤油などの醸造業が栄えてきました。硬度13という超軟水の源泉は「平成の名水百選」にも選ばれており、良質の味噌・醤油と共にラーメンスープの味の決め手となっています。麺もスープも、このまちの水なしには語れないのです。

大正末期の屋台から始まった歴史

喜多方ラーメンの起源は大正末期〜昭和初期にさかのぼります。中国・浙江省出身の潘欽星(ばん・きんせい)が「源来軒」として屋台を引き、支那そばを売り歩いたことが始まりとされています。その手作りの一杯が、まちの食堂や製麺店へと受け継がれ、喜多方独自の麺文化が根を張っていきました。

1970年代後半、「蔵のまち喜多方」の認知度が高まり多くの観光客が訪れたことで、「喜多方ラーメン」が手軽な食事として人気を集め全国に知れ渡りました。ご当地ラーメンの先駆けとなったといわれています。

その後、行政や商工会議所、主要店が主導し、1987年(昭和62年)に「蔵のまち喜多方老麺会」が創設されました。現在も加盟店がのぼりを掲げてまちを彩っています。

そして令和3年度には、文化庁の「近代の100年フード部門」(明治・大正に生み出された食文化)に認定されました。100年にわたって地域とともに生きてきた証といえるでしょう。

まちをあげて愛される「朝ラー」文化

喜多方ラーメンの魅力をもうひとつ挙げるとすれば、「朝ラー」文化です。喜多方では朝からラーメンを食べられるお店があり、JR東日本の観光キャンペーンで紹介されて「朝ラー」と呼ばれるようになったこの風習は、地元住民の朝食の枠を越えて、朝ラーを食べるためだけに観光客が訪れるほど広まっています。

早朝から並ぶ行列、湯気の立ちのぼる一杯。旅先での朝に、そんな時間を過ごしてみるのも素敵です。

約100軒が点在するラーメンのまちへ

喜多方市内には約100軒ほどのラーメン店があり、人口あたりの店舗数が日本一といわれています。老舗から新しい店まで、それぞれに異なるスープと麺の個性があります。同じ「喜多方ラーメン」でも、食べ歩いてみると驚くほど表情が違う。そこが、このまちのラーメンの奥深さです。

蔵が連なる街並みを歩きながら、気になるのれんをくぐる。そんな旅のかたちが、喜多方では自然と生まれます。

あわせてご覧ください。有松鳴海絞りなど、東海・東北の伝統文化についての記事もご紹介しています。

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