日向夏とは?その魅力と歴史、おすすめレシピなど詳しく解説(Shutterstock / contributor: 301540237)

日向夏とは?その魅力と歴史、おすすめレシピなど詳しく解説

春の柑橘棚に並ぶ、鮮やかなレモンイエローの果実をご存知でしょうか。
宮崎県生まれの「日向夏(ひゅうがなつ)」は、白皮ごと食べる独特のスタイルと、さっぱりとした甘酸っぱさが魅力の柑橘です。
産地では醤油をかけてそのまま食べることもあるという、少しユニークなこの果物の歴史と食べ方、おすすめのレシピをご紹介します。

日向夏の歴史と産地

日向夏は江戸時代1820年頃に宮崎市の真方安太郎氏の庭で発見されたユズの突然変異種と考えられています。
発見当時は酸味が強く食べられることはありませんでしたが、その後品種改良が進み、宮崎県の特産品となり、今では各地で栽培されるようになりました。
明治時代の1887年に「日向夏」と命名され、宮崎の地を代表する柑橘として広く知られるようになりました。

宮崎大学農学部園芸教室教授・三輪博士は、日向夏の研究に着手し、日向夏が強度の自家不和合性(雄しべ・雌しべとも受精能力を持ちながら自分の花粉では受精が行われない性質)であることを9ヶ年の研究で明らかにし、安定した生産に大きく貢献しました。

宮崎県が全国生産量の約8割を占めており、続いて高知県、静岡県、愛媛県が主な産地です。
名称は地域によって異なり、宮崎県産は「日向夏」、高知県産のものは「小夏」、静岡県や愛媛県では「ニューサマーオレンジ」と呼ばれることが多いです。

日向夏の特徴|白皮ごと食べるのが正解

他の柑橘類とは違い、白皮(アルベド)ごと食べられる品種で、味わいはグレープフルーツより酸味が少なく、薄味でさっぱりしているのが特徴です。
白皮(アルベド)は甘みがあり、果肉と一緒に食べることで、他の柑橘にはない独特の風味が楽しめます。
日向夏はりんごの皮むきをするように外果皮のみを薄くむき、ふかふかの白皮(アルベド)と一緒に食べるのが特徴です。
ほんのり甘みのある白皮と、爽やかな酸味のある果肉を一緒に食べることで、はじめて日向夏の「真の美味しさ」を味わうことができるのです。
日向夏は、疲労回復や風邪予防に効果があるとされるビタミンCが豊富です。
その他にも、生活習慣病の予防に効果とされるβクリプトキサンチンや、疲労回復やミネラルの吸収を促す効果などがあるとされるクエン酸なども含まれています。
また、白皮には整腸作用が期待できる食物繊維が豊富です。

旬の時期と選び方

ハウス栽培は12月中旬ごろから収穫が始まり、3月下旬ごろまで出荷されます。
露地栽培は3月上旬〜5月下旬が時期となります。
追熟しないので、店頭に並んでいるものが食べごろです。

選ぶときは、果皮がやわらかくて張りがあり、同じサイズなら重いほうが良品です。
皮がしなびたものや持ったときに軽いものは鮮度が落ちています。

日向夏のおすすめレシピ

① 基本の食べ方|砂糖・はちみつがけ

産地・宮崎のシンプルな楽しみ方からご紹介します。

切って並べた日向夏に砂糖をたっぷりとまぶして食べると、酸味が苦手な方でもとても食べやすくなります。

はちみつを使えば風味がより豊かに。
ヨーグルトのトッピングにもよく合います。

また、白いワタも付いた状態で薄くスライスし、野菜サラダに使うと、あっさり美味しくいただけます。
醤油との相性もよく、醤油とオリーブオイルで作った和風ドレッシングを和えていただくのもおすすめです。

② はちみつ漬け|旬を長く楽しむ保存レシピ

旬の日向夏を長期保存できるレシピです。
はちみつに漬けることで甘みと保存性が増し、日向夏の爽やかな香りや甘酸っぱさも楽しめます。

作り方はとてもシンプル。

日向夏はよく洗い、黄色い外皮を剥きます。
白いふわふわしたワタの部分はなるべく多く残すと、苦味が少なくまろやかになります。
種を取り除き、果実を食べやすい大きさにカットしたら、清潔な保存容器に日向夏とはちみつを交互に重ねて入れます。
お好みでレモン汁を加えると、さっぱりとした風味が増します。
蓋をして冷蔵庫で保存し、最低でも30分〜一晩、できれば1日以上漬けると、日向夏から水分が出て味がなじみ、より美味しくなります。

そのままデザートとして食べるのはもちろん、炭酸水で割ればオリジナルの日向夏サイダーに。紅茶に浮かべれば華やかなフルーツティーになります。

③ スムージー|白皮ごと食物繊維をたっぷり

スムージーなら白いわたも一緒にミキサーにかけると、食物繊維をしっかりとることができるのでおすすめです。

日向夏1個・リンゴ半分・冷凍マンゴーひとつかみを合わせれば、南国気分の春色スムージーの完成です。
種が入ると苦みが出るので、取り除いてからミキサーへかけましょう。

④ マーマレード|皮まで余すことなく

黄色い皮の部分はマーマレードにできますので、捨てずに残しておきましょう。
皮をナイフで剥き、ワタの部分を薄くそいで厚みを揃え、沸騰したお湯で茹でこぼしを何度かしてアクを抜き、シロップで煮詰めれば、香り高い日向夏のマーマレードが完成します。
トーストにはもちろん、ヨーグルトやチーズとの相性も抜群です。

まとめ

春を告げる宮崎の柑橘・日向夏は、白皮ごと食べるという唯一無二のスタイルが魅力の果物です。
そのまま食べるのはもちろん、はちみつ漬けやスムージー、マーマレードなど、さまざまなレシピで楽しめます。
店頭に並ぶ3〜5月の旬の時期に、ぜひ一度手に取ってみてください。
産地・宮崎の人々に愛されてきた、やさしい甘酸っぱさがきっと春の食卓を明るくしてくれるはずです。

関連記事一覧